2016-04-29

「持続可能な開発の主流化を目指して」開催報告

Ms. Kuniya Hiroko, moderating the panel discussion. April 16, 2016 at UNU. Photo: UNU-IAS

2016年4月16日(土)、公開シンポジウム「持続可能な開発の主流化を目指して:G7サミットプロセスを視野に」が 国連大学にて開催されました。 持続可能な開発ソリューションズネットワーク・ジャパン(SDSN Japan)が主催した本シンポジウムでは、 開会セッションに続き、基調講演、 SDSN Japan理事会メンバーによる座談会、およびパネル・ディスカッションが行われました。

SDSN Japan議長の浜中裕徳氏は、冒頭の主催者挨拶にて、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の実施およびパリ協定の開始に向けて、2016年が重要な年になっていると強調しました。また、 SDSN Japanが G7リーダーに向けて 持続可能な開発目標(SDGs)の実施に関わる政策提言を取りまとめたことが説明されました。シンポジウムに先立ち、提言書は正式に 鬼木誠環境政務官 に手交されました。来賓挨拶において鬼木政務官は先駆的な取組を共有し、官民共同の取組を促進するためのステークホルターズ・ミーティングを開催することにより、SDGsの実施に積極的に取り組んでいくとの方針を明らかにしました。

基調講演を行った武内和彦(国連大学上級副学長、東京大学教授)は、気候変動対策・持続可能な消費と生産・生物多様性・国際開発・教育等の分野で、関係者の具体的な役割に焦点を合わせながら、SDGsの主流化に向けた政策提言について述べました。これは、国谷裕子氏がモデレーターを務めたパネル・ディスカッションにおいてさらに掘り下げられ、 SDGsの実施に向けた具体的な取り組みについて論じられました。

これらの議論のなかで、 単に温暖化対策のみを目的に導入される政策は少なく、他の政策目標にプラスの影響があるものが合意を得られやすいため、SDGs実施を進めていく上では『抱き合わせ』のアプローチが有効であることが説明されました。また、日本においては、将来世代にどのような国を残したいのかを前提に、財政赤字を解消するような温暖化解決に投資し、新しい産業を活性化させていくなど、複合的なアプローチを展開しなくては根本的な解決にはならないとして、「日本国内でSDGsを達成する」というのではわかりづらく伝えづらいため、伝え方を考慮していく必要性が指摘されました。 さらに、企業が収益をあげることによってだけ社会に対する責任を果たしていた時代は終わったとし、投資家が長期にわたる確実なものに投資を行うためにも企業の力を強めることが必要とされ、そうすることで社会も少しずつ変わっていくという考えが示されました。


日時
4月16日(土) 午後 (於:国連大学ウ・タント国際会議場 アクセス
主催
SDSN Japan
共催
国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)、公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)、慶應義塾大学SFC研究所、地球環境パートナーシッププラザ(GEOC)
参加費
無料
参加登録
登録受付は終了いたしました。
プログラム
14:00-14:30
開会セッション
主催者挨拶:浜中裕徳(SDSN-Japan 議長、IGES理事長)
来賓挨拶:日本政府関係者
14:30-15:00
基調講演(1):SDGsの世界的展開と今後の展開(仮)
Prof. Jeffrey Sachs, Director of SDSN (Video) (tbc)
15:00-15:30
15:00-15:30
基調講演(2):SDGsの主流化に向けたSDSN Japan からの提言
武内和彦(SDSN-Japan 副議長、東京大学教授)
発表資料
15:30-15:45
休憩
15:45-17:30
パネル・ディスカッション:SDGs達成に向けた各分野における取組の将来
モデレーター: 国谷裕子
パネリスト: 蟹江憲史(慶應義塾大学教授)
有馬利男(グローバル・コンパクト・ジャパン・ネットワーク代表理事)
黒田かをり(CSOネットワーク事務局長・理事)
亀山康子(国立環境研究所持続可能社会システム研究室長)
17:30
閉会

PDF Download「SDGsの主流化に向けたSDSN Japan からの提言」PDF Download

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